自分で商標登録する方法を教えます。


商標を自分で申請するには、多少なりと知識が必要です。
法律的な知識や、判例の知識などがあれば、よりスムーズに登録することができます。

もちろん、専門家である弁理士さんの知識や経験にはかないませんが、
少しでも知識を持つことによって、失敗を回避することができます。

商標登録は簡単にできると思っている方も多いかもしれませんが、
その反面、簡単に取得できたと思っていた権利が、実は抜け穴だらけの権利だった、ということもあります。

抜け穴だらけの権利であれば、他人に隙をつかれ、無意味な権利になってしまう可能性もあります。

登録するために一番重要なことは、「どの範囲での権利を取得すべきなのか」ということです。
商品なのか役務なのか、どの商品に該当するのか、どの役務に該当するのか、時間をかけて検討する必要があります。
指定された商品や役務は、そのまま権利範囲となりますので、商品・役務の選択は、とても重要です。

ではここで、商標法における商品と役務について説明しましょう。
出願をする際には、必ず商品や役務を記載しなければなりません。

「商品」とは、商取引の目的たり得るべき物、特に動産をいいます。
例えば、「化粧品」「果物」などが商品に該当し、不動産は商品には該当しません。
「役務」とは、他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきものをいいます。
例えば、「介護」「宿泊施設の提供」「鉄道による輸送」などが役務に該当します。

出願の際には、適切な商品又は役務を指定することが重要です。
商品及び役務の区分は、政令で定められています。
特許庁のHPに掲載されている、商標分類をご確認ください。
商品の区分は第1類~第34類まで、役務の区分は第35類~第45類までです。

特許庁に出願します。


商標登録出願は、特許庁長官に対して行います。
必要事項を記載した願書を提出します。

★ 必要事項

・出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
・登録を受けようとする商標
・指定商品又は指定役務名、並びに、商品及び役務の区分

願書に、上記の必要事項を記載して特許庁長官に提出します。
提出は、紙を郵送で送ることもできますし、自宅からネット上で出願することもできます。
日本全国、福岡からでも鹿児島からでも、簡単に商標登録出願することができます。

出願をすると、特許庁で審査が始まります。
先ずは、記載事項に不備がないかどうかの審査がなされ、不備がない場合には、実体審査に入りましす。
実体審査とは、特許庁の審査官により行われる審査で、出願の商標を登録できるかどうかの判断されます。

審査の結果は、出願から4~8ヵ月程度で分かります。
審査の結果、登録が認められれば、登録査定がなされます。
登録が認められなければ、拒絶理由通知書という「登録できない理由を書いた書面」が届きます。

拒絶理由が届いた場合、指定された期間に対応をしなければ、そのまま拒絶査定になってしまいます。
拒絶理由への対応は、補正や分割、意見書の提出などの方法があります。
その対応がベストなのかは、事案ごとに異なりますので、実際に拒絶理由が届いてから、検討する必要があります。

意見書や補正書などの対応により、拒絶理由が解消されれば、登録が認められることになります。

もっと早く登録したい場合には・・・


もっと早く登録したい場合には、早期審査という制度があります。
早期審査の制度によれば、1~3ヵ月程度で登録されることもあります。
ただし早期審査のためには、条件があります。

パターン1

【出願の商標を使用していて(使用の準備を相当適度進めていて)、緊急性を要する場合】

指定商品・役務のうち、いずれかを使用等していて、緊急性を要する場合には、早期審査が認められます。

緊急性を要する場合とは、

a) 第三者が許諾なく、出願商標等を出願に係る指定商品等に使用等している場合
b) 出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
c) 出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
d) 出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合

このような場合は、早期審査が認められます。

パターン2

【出願の指定商品・役務の全てを使用している(使用の準備を相当程度進めている)場合】

例えば、出願の商標が「A●C」であって、指定商品が「リンゴ」「トマト」「やしの実」の場合、

出願人が「A●C」を「リンゴ」「トマト」「やしの実」に使用しているか、または使用の準備を相当適度進めているか、
どちらかの時には、早期審査が認められます。

出願人が「A●C」を「リンゴ」「トマト」に使用していて、「やしの実」に使用していない時は、早期審査が認められません。
この場合、「やしの実」を指定商品から削除すれば、早期審査が認められることになります。

※ 早期審査が認められたからと言って、登録が認められるとは限りません。

早期審査の申し出は、出願の日後、いつでも提出することができます。
特許庁に支払う手数料は不要です。

また申し出の際は、出願の商標を使用している証拠書類や証拠写真を提出する必要があります。

例えば、
・商標が付された商品を撮影した写真
・商標が付された商品が掲載されたパンフレット、カタログ又は広告
・商標が掲載された役務に関するパンフレット、カタログ又は広告

など、出願人等が商標を使用していることが客観的に分かる資料を提出しなければなりません。